初カレ
初カレ
振り向くと、息を切らせた渚がいた。

「結婚するからって、ある日突然振られたんだ。…しばらくは引きずったよ、正直」

「うん…」

「でも、今はそういう気持ち、全然ないから」

「…」

「瞳はね、ダンナとうまくいかなくなるといつもふらっと現れて、あんな感じなの!でも結局ダンナが迎えにきて元に戻るし、それに俺は振られてから瞳とはやましいこと一切してない」

「でも…」

「だから、別れるとか…言わないで…ください」


そう言った渚の顔は、今まで見たことのないくらい泣き出しそうだった。

「でもあたしっ…瞳さんがいってたみたいに渚とエッチだってしたことないし、付き合ったのだって渚が初めてで…」

「…」

「それにっ!渚はなんであたしなの?あたしのこと好きって思ってる?」
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