初カレ
「俺が、初めて夏帆を見たのは春休み。」

あたしをぎゅっとしながら渚は言った。

「へっ?」

「サーフィンしてたら、駅で同じ学校の制服着た女の子がナンパされてんの見かけたんだ」

渚に言われてあの日のことを思い出した。

「結構しつこくナンパするやついるから、嫌がってるの見かけたら止めるようにしてたんだよね。しばらく様子見て、あー、これ止めてやんなきゃいけないパターンだなって思ってそっち向かってったらさ」

そう言うと渚はちょっとだけ思い出し笑いをした。

「1人の女の子がそのナンパしてるやつに嫌がってるのにサイテー!とかどうせやるならもっとかっこよくナンパしろ!とか言ってその子の手引いてったんだよね!あっという間でさ!そんな女の子初めてみたから、かっこいーじゃんって」

「みっ、見てたんだ」

「そしたら、気になっちゃっていろいろ頑張って調べたら、1個下で名波夏帆って名前の子だった」
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