今日も、明日も、明後日も
……あ、れ。
この手紙、違う。
最初に伊織さんが見せた手紙じゃない。文字の形も同じ、出だしも終わりも同じ。ただ、その部分だけが違う。
結婚なんて、書いていない。
どういうこと?何が……どうして?
混乱する頭を抱え、私は手紙と一緒に入っていた小さな箱を開ける。
「え……?」
箱のなかに入っていたのは、キラリと光るダイヤモンドがついた指輪。
これ、は……。
箱に書いてある店のロゴは、どこか見た覚えがある。そうだ、会社前のあのジュエリーショップの名前。
あの日、彼が女性といた店だ。
「……なん、で……」
ますます頭が混乱する。
だけど、もしこれが彼からの贈り物なのだとしたら。
「っ……」
私はそのまま、箱と手紙を握り締め家を飛び出した。