今日も、明日も、明後日も
「二人とも、何してるの?早くしないと、買い物置いて行くよ」
「あっ、はいはーい!行くよ、千尋!」
「はーいっ」
それから、そう遠くはない未来。
表札が『橘』になった、古いままのその家には、相変わらずの彼と元気盛りの息子。そしてお腹を大きくした私と、宿る小さな命。
沢山の希望が、輝いている。
「鈴、手つなご」
「……恥ずかしいからやだ」
「恥ずかしくなんてないよー!ねー千尋!」
「うん!ぼくもママとてーつなぐ!」
「千尋とならつなぐ」
「えぇ!?俺は!?」
「……ウソ」
そっとつないだ手は、温かな体温。
「行こ、伊織」
「うん」
絶えず溢れる幸せを、終わることなく紡いでいこう。
愛する人と、愛する場所で
今日も、明日も、明後日も。
end.