今日も、明日も、明後日も
言われてみれば、そうだ。
いきなり知らない人との結婚話を持ち出されたのは伊織さんだって同じ。それでも彼は迷うことなく……いや、実は苦渋の決断の末かもしれないけど。結果として結婚するという選択肢を選んだわけであって。
……それほどおばあちゃんに恩が?それとも余程モテなくて相手がいないとか……それはないな。軽そうだし。
そんなことをひたすら考え続けるうちに仕事を終えていた私は、いつもと同じように会社から出て帰路へつく。
今日は定時で終えられた、そんな開放感から見上げた空は少し明るく、日が伸びてきたような気がする。