今日も、明日も、明後日も
着替えを済ませ、朝食・昼食、と食べ終え、迎えた午後になっても雨は続く。
ぼんやりとテレビを見る私と、寝転がり適当な雑誌を見る彼。そんな二人きりの居間は、テレビの音と窓の外の雨の音だけが響き、静かだ。
「……」
私の位置からテーブル越しに寝転がる彼をチラ、と見れば茶色い毛先がぴょんとはねている後ろ姿。
ラフな私服に恐らくセットしていないのであろうそのままの髪型が、スーツの時とはまた違う、年相応の彼を見せる。
伊織さんと過ごすようになって、気付けば二週間近く。それらの期間のなかで、彼について知ったこと。
25歳の、一人っ子。見た目に反して中身は子供で好きな食べ物はハンバーグ。コーヒーはミルク多めじゃないと飲めない
家事の類は一切ダメで、先日初めてお米を炊かせたら洗剤でお米を洗い始めたレベル。勿論怒った。人見知りとは無縁な性格で、暇さえあれば喋る喋る喋る。ひたすら喋る。