年下の彼は、生意気くん!
「百面相すんなよ。変な奴と一緒に歩きたくないわ」
な、なんなのこいつ!
百面相なんてしてないっつの!
「だったら手ぇ離せば?」
むきになってそう言ってしまったが、本音は、違う。
本音は、離してほしくない。
「離さねぇよ」
…え?!
私は、思わず息を飲んだ。
「え、あ…っ」
「…なんだよ。てか、あんた今日バイトあんの?」
「あ、きょ、今日は、ある」
って、今日バイトあるじゃん!
大学が午前で終わったから浮かれてた。
「じゃ、早く帰らなきゃな」
そう言って、南原は、グイッと私の手を引っ張った。