年下の彼は、生意気くん!
私がショーケースに手を置きながら、まだネックレスを見つめていると、南原に肩を叩かれた。
「何?欲しいもんあんの?」
「いや、ただ可愛いなって思ってね」
「それ欲しいってことじゃねぇの?」
「可愛いイコール欲しいじゃないのっ」
「ふぅん」
南原は、ジッとショーケースを見つめた。
そんな南原に『用は、済んだの?』と、聞くと……
「用は、済んだ」
「じゃあ、帰ろっ─「でも、また用が出来た」
……はい?
用が済んだのに、用が出来たって、忙しい奴。
「だから、少し外で待ってて。あ、誰かに声かけられても、付いてくなよ?」
完全に私が年下みたいになってない?
「そんなの分かってます!」
私は、そう言い捨て、お店から出た。