すきだよ。
さっそく、あいつ―戸川蓮―を見つける。
蓮は手すりから校庭を眺めていた。
私は迷わず声をかけた。
「蓮!!」
しばらくして彼は振り返った。
「…おう、夕。」
私は歩いていって蓮の隣に並んだ。
夏が近づいているのがわかる、爽やかな暑さ。
この時が、私は大好きだ。
そう言うと、
「そうかー?もう暑いじゃん。」
と蓮は言う。
これがきっかけで、お互い他愛のない話をする。
私のもうひとつの楽しみ。
これがいつもの私達で、これが当たり前だったんだ。
だから、その次に起きたことは、私にはあまりに衝撃的過ぎた。