すきだよ。
お互いに一通りしゃべり終わって、気持ちよく風に当たっていたときだった。
校庭を眺めていた蓮が、
「あ、」
と、不意に声をあげた。
蓮の視線をたどると、その先には、一人の女の子がいた。
…え…?
もしかして…
「蓮、あの子のこと好きなの?」
女の直感。
「あー、実は、そうなんだよねー。」
コレほど当たるものはない。
…へぇ、蓮が瀬川さんのことを…ほぉ~。
(ちなみに、瀬川さんは学校一可愛いと有名。私とは顔見知りくらいの関係。)
なんだろう。
すごく意外に感じてしまう。
その事がよくないことのように思えて、その思いは心の奥底にしまった。
「ねぇねぇ、瀬川さんのどんなところに惹かれたの?」
女の子はこういう話題が大好き。
私だって例外じゃない。
私は、蓮を思い切りからかってやることに決めた。