すきだよ。
「…女の子らしいところ。」
私とは正反対だな。
私はどちらかと言うと男らしい。
「へぇ。いつから?」
「わからない。ここから眺めてたら、目にとまって、気づいたら…って感じ。」
テニス部の彼女が、今かっこよくスマッシュを決めたのが見えた。
両手を上げて喜ぶ姿が可愛らしい。
…そうだったのか。
私は、蓮と話すのを楽しみにしてここにきていた。
だけど。
いつの間にか、蓮にとっては、瀬川さんをみるための場所だったんだ。
なんか、楽しみにしてた自分がバカみたいに思えてくる。
…あれ? なんで私、ショックなんて受けてるんだろう…
思わず空を見上げると、水色が滲んできた。
ダメだよ。
せっかく幼なじみに初恋の相手が見つかったんだから、喜ばなきゃ。
私は、訳もわからず溢れそうになった涙を隠して、蓮に言った。