すきだよ。
日も傾き、暑さが少しだけおさまってきた夕方。
私は一人で屋上に残っていた。
そして、さっきまでの出来事を思い出していた。
++++++++…
あのあと。
「やっべ!
オレ教室に忘れ物してきたわ。
とってくるー。」
蓮の言葉が刺さったままだった私は、とりあえず
「あ、うん。いってらー。」
と返した。
蓮が屋上を出ていった後、ふと空を見ると、少しだけオレンジが混じった色をしていた。
──寂しい色だな。
なんか、私みたいじゃん──
蓮がいなくなった途端、急に涙が込み上げて来てしまった。
でも、今泣いてはいけない気がした。
泣いてしまったら、訳のわからない感情に飲まれてしまう。きっと。
結局私は、一人、黄昏ることになった。
─はずだった。