すきだよ。



ガシャン…

何かが私のなかで音を立てて崩れた。


衝撃が大きすぎたのか、震えが来ている。

苦しい…。
呼吸ができなくなるほど。



ワタシハイマ、ナニヲキイタ…?


「そうなんだ~!!」


なのに、気持ちとは裏腹に明るく対応する私。

「それで、ね。
私、中原さんがいつも戸川君といるから、なにか知らないかな、と思って。」


私の態度に安心したのか、瀬川さんは本題に入っていく。



…知ってるよ、たくさん。
瀬川さんが知らない、蓮の癖とか、色んな表情とか。



私は知ってるよ。



そして、好きな人が誰かも──



「具体的にはどういうの?」

「その、えっと─
戸川君の、す、すす、好きな人、とか…」


女の子だな、と思わず思ってしまう程、瀬川さんは可愛かった。


私とは、全然違う。
本当に。


私は、そのピュアな瞳を見ることが出来なくなった。


くるりと屋上のほうに体を向けて
「好きな人いるって言ってたよー。」


「そ、それって、中原さん…??」

瀬川さんが急に焦り出す。

「…へ??」

私はというと、それを聞いて間抜けな声が出てしまった。
























< 24 / 61 >

この作品をシェア

pagetop