すきだよ。




「「えぇっ!?」」

あの時、二人が顔を真っ赤にして驚いていたけど、誰よりも驚いていたいたのは私だった。


その後のことは、自分の発言に衝撃を受けすぎて、よく覚えていない。


気づいたら、私は、一人だった。



──ああ、もう、結構前から一人か。

蓮が瀬川さんを気になりだした、その頃から──。


ははっ。乾いた笑いが出た。

今さら気づいた。


今まで、蓮が私の隣にいることが当たり前だった。
だから、安心し過ぎてたんだ。

蓮なら、ずっと私のそばにいてくれるって。
心のどこかで、そう思ってたんだ…



でも、そんなわけないんだ。

私の気持ちがあるように、蓮には蓮の気持ちがある。

他の女の子を見てて当たり前。

…それが今日、よく分かった。



──本当は、薄々気づいてたんだ。自分の気持ちなんて。






























──私、蓮のことが、好きだ───




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