すきだよ。
目から涙が溢れ出す。
─悔しい、悔しい悔しい悔しい…
私の涙は、決して透明ではなかった。
瀬川さんよりも、私は蓮の気持ちを分かってる。
瀬川さんよりも、私は蓮とずっと一緒にいた。
それがあっさりと、持っていかれた。
それどころか、瀬川さんは、私の知らない蓮を引き出してく。
どんなに長く一緒にいても、たくさんの笑顔を見せても、
瀬川さんは好きな人で
私は幼なじみ、という一線が引かれてる。
敵わないよ。
あの子の笑顔に。
あの子の可愛さに。
あの子の立場に。
でも一つだけ勝てると思う。
蓮を好きな気持ち。
本当は自覚しようとしなかっただけで、誰よりも蓮が大好きだった。
早くわかってれば、もっと違ったの…?
でももう遅い。
二人は、両想いなんだから。