すきだよ。
思わずぎゅっと目を閉じた。
…しかし、衝撃はいつまでたっても来なかった。
そのかわり。
「あぶねーだろ、バカ!!」
焦りからくるのか、息を切らした美野に怒鳴られた。
その形相に思わず、
「ご、ごめんなさい…」
と謝ると、美野は、ほっとしたようにため息をついた。
にしても、さっきまで爆睡してた美野が、助けてくれるなんて。
私の体を支えてくれる美野の腕がなんだか恥ずかしくなって、私は美野の顔を見られなかった。
いつもは俺様男子なのに、これじゃまるで、王子様みたいじゃない……
……美野が王子様なんて、ありえない!!
「もう、大丈夫だから。
ありがとう、美野…」
そう言って私は美野から離れようとした。
だけど美野は、私を離すどころか、肩に手を回して、
「こいつは俺のだから、次手ぇ出したやつは許さない。」
と衝撃発言をした。
…はい??
私はというと、色々と話についていけてなくて、ひたすらぽかんとしていた。