すきだよ。







クラスの皆もぽかんとしていて、妙な沈黙が生まれた。



そのすきに、美野は私の手を引いて教室を出た。




へ??えぇ??


どうすればいいわけ??

ていうか、なんで私まで連れ出されてるのかなぁ??



分からなすぎて、感情のコントロールが麻痺している。



「…美野!?
どこに向かってるの??これ!!」



「保健室。」


美野の答えは、わたしの頭の中を混乱させる種にしかならなかった。


私の様子を見て、美野は立ち止まった。



「だって、お前朝から調子悪かったんだろ??」



あ…

「い、いや、違うの…」

「は??」


「だって、美野に会うの、気まずくて。
仮病を使おうかなー、みたいな。

私、美野にひどいこと言っちゃったし」



あれ…??

私、学校のキャラが崩れちゃってるよ??


…美野の、前だからか…??




「ふっ…
なんだ、気にしてくれたんだ。」


美野が柔らかく微笑んだ。

不覚にも、ドキッとしてしまった。


「とりあえず、保健室行こう。
先生にばれても面倒だ。」


「…そうだね。」



















< 57 / 61 >

この作品をシェア

pagetop