浅はかな願い
そう考えていると、順が体をより一層密着させてくる。
そして、
「ラブラブなんだね」
降ってきた声は、身を凍らせるほどに冷たかった。
どうしてそんなこと言うんだろう。私には本当に理解できなくて。
いや、理解したくもない。
だって順は私のこと、フッたじゃない。
「まぁね」
順の方を向いていなくてよかった。単純にそう思う。
だってこのひどい顔を、見られずにすむ。
それにいまあの私を捕えるような瞳を見てしまったら、もう戻れない。