愛してる

ハンカチ

中学2年の春



公園のベンチに座り俺の今の彼女朱里が静かに話す。


「もう別れよう?


だって…愛瑠、あたしのこと愛してないでしょ?」




『あぁ…』



「やっぱりね…

愛瑠…愛が溜まるって書いて愛瑠。


なのに愛なんてこれっぽっちも溜まってなかったわ…


いいわ。あたしは頑張って愛瑠を愛したもの。


それで十分。


ばいばい。愛瑠」



『…じゃあな』







また別れちまった…





中学で付き合った人数は20人以上




その中で2ヶ月も付き合っていたのは



彼女が初めてだった…




今回は期待してたのに…



またダメだった。






俺は最後まで彼女を愛せなかった。






しばらく一人、ベンチに座っていると…





「大丈夫ですか?悲しいことでもありましたか?」






知らない女が話しかけてきた。




俺は顔もあげずに答えた。



『別に…』





「でも…顔色悪いですよ?



顔でも洗ってみては?」








そう言って俺の目の前にハンカチを差し出した。
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