想い続ければ...。
第1章☆◦*

好きになっちゃだめな奴。

──ドキッ。

ほら、また君の行動に
ドキッとしたじゃんか。

私、中学3年生の
鈴木華音(すずきかのん)。
クラスでは、目立つ方だと思う。
別にヤンキーとかじゃなくて
ただ単に明るい性格なだけ。
友達も多い方だと思う。
人見知りしないし、男子とも仲いいし
一応それなりにつきあったことはある。
告られたこともある。
地味な子とも仲良くなれる。
だからよく「華音ちゃんは優しいね」
って言ってくれる。それは素直に
嬉しいと思える。

受験が迫っている11月──。

ただいま、クラスの男子に
ドキドキしている最中です。

私をドキドキさせてる奴の正体は...

「なんだよっ、鈴木」

「んっ??あっ、なんでもない!
 ごめん、中津!」

そう、今私が見とれていた
中津龍斗(なかつりゅうと)。

性格は、明るく元気でおもしろい。
いつもクラスのみんなを
笑わせる役みたいなもん。
頭の方はちょっとよろしくない。
いや、ちょっとじゃない。
かなりよろしくないかな。
授業中は、バカな発言ばっかして
クラスの人を笑わせてる。

私は、そんな彼に
最近よくドキッとする。

好き...なのかはわからない。

ただ、心の中で
好きになっちゃだめだって思ってる。
その理由は──...


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