危険なオアソビ【甘々小説】
最悪……。
逢わないと思ってたのに…。
もうこの顔を見ることはないと思ってたのに……。
前に見た時のように、ラフな恰好の私服。
黒髪−−。
シンプルに、両方の耳に付けた一つずつのピアス−−。
そして通り過ぎる誰もが振り返るだろう…
ゾクッとするような綺麗な顔−−。
「こんな時間に、ガキがうろちょろしてると危ねェぞ?」
恭平はあたしの近くまで寄って歩いてきた。
静かな空間の中、近付いてくる足音が危険信号を表している様…。
背が高いのを良いことに、偉そうにあたしを見下ろしている。
今、走って逃げても、すぐに追い掛けられる。
逃げ道は、ない。
「俺に襲われていいんなら別だけどな」
恭平は少し屈んで、あたしと同じ目線に合わせると、ゆっくり顔を近付けた。