危険なオアソビ【甘々小説】
「ちょっと顔出すだけでもいいの〜!一生に一度のお願い!」
「や〜だ〜」
いくら麻美でも、それだけ勘弁。はっきりと否定する。
「じゃあ、これあげるから!!」
そう言って麻美が目の前に差し出したチケットに、あたしは目を真ん丸に開けることしかできなかった。
「こここれ!伝説の…」
「由奈の大っ好きなバンド!」
麻美はあたしのツボを分かっていた。
あたしがそのチケットをどれだけ欲しかったか…。
あたしはヒラヒラと舞うチケットに触れようとしたが、そのチケットはあたしの指を避ける。
まるで「合コンに行かないと捕まらないよ〜」と言っていかのように…。
「もうこのチケット売切れたんだよね〜?でもあたし、このバンド興味ないし?捨てようかなぁ…」
「ダメー!ダメダメ!それ頂戴!」
「あげる★その代わり、今日の6時。駅の前ね★」
麻美の子悪魔な笑みを見極めてはいたが、伝説のチケットを手放すことができなかった…。