危険なオアソビ【甘々小説】
ほんと、この人が何考えているのか読めない。
馴れ馴れしいけど、良い人なのかなって勘違いしちゃうじゃない。
「…ねぇ!もう、いいよ。あたし、あそこのマンションだから」
目と鼻の先には新築のマンション。
あたしはそこで一人暮らしをしている。
恭平は近くまで送ってやるよ、と言うけど、あたしは首を横に振った。
「…じゃあ、ここでお別れね。さようなら」
別にあたしが送ってほしいと頼んだ訳ではないから、御礼は言わない。
あたしは数メートル先のマンション入口まで向かおうとした。
だけど一瞬の出来事は突然に訪れ、意志とは違う方向に体が動いた。
もの凄い早さで、気付けばあたしは道端の石塀に押し付けられている。
その反動で、あたしは持っていたカバンを地面に落とした。
背中にはひやりと感じる石塀の冷たさ。
目の前にはあたしの体を押し付ける、恭平。
「……帰すわけねェだろ」
そう言って恭平は、勝ち誇ったような笑みを浮かばせた。