危険なオアソビ【甘々小説】



足がガクガクと震える。


ただ体が崩れそうで、悔しい思いをしたくないために、一生懸命恭平の服にしがみついていた。




もう諦めていた。

此処は人通りが少ない。


このまま抵抗も出来ずに、今日は一生、忘れられない日になるんだ…。





「これが…目的だったの…?あたしを心配するフリしてただけなの…?」


あたしが少しでもアンタを信用したのがいけなかったの?





「やる目的以外に、何があんの?」





その言葉を聞いた瞬間、あたしの目からは大きな涙が出てきた。


雫はポタポタと地面に落ちていき、恭平の手にも落ちる。


恭平は驚いたようにあたしの顔を伺った。





「……何泣いてんの?」



見ないで。

見ないで。


悔しいから見ないで…。





あたしの腕を掴んでいた恭平の手が緩み、隙をついたあたしは思いっきり体を突き出した。


そのままマンションまで向かって走るあたしを、追い掛ける足音は聞こえなかった。




…男なんて…大キライだ…



流れる涙は止まることなく、男に対する不信感は大きくなっていったんだ−−。
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