危険なオアソビ【甘々小説】
トイレから帰り、ドアを開けたあたし。
やけに妙な静けさを感じ、見上げた目の先に入ってきた光景は…
「何で…?」
麻美がいない。金髪男も。
残っているのは一人、携帯をつついている裕介くんだけだ。
「由奈ちゃん、おかえり」
「おかえりって…二人は?どこ行ったの?」
「二人は帰ったよ。仲良さそうに」
やられた。
あの二人、良い感じだったけど…知らぬ間に帰っちゃったの!?
(麻美…この男とあたしを残して…)
この状況に愕然としながらも、明日は麻美への説教を入れることに決定した。
「え?ちょっ…由奈ちゃん何処に行くの?」
「ごめん。帰るね」
「待っ……」
二人っきりで居るなんて出来ない。
あたしは荷物を持つとドアに向かった。
一度、後ろから右手を掴まれたが、するっと簡単に抜けたのでそのまま無視する。
だけどドアを開こうとした直前、首に腕を回され、後ろから抱きしめられる。
「由奈ちゃん。そりゃあ、ねェだろ?」
冷や汗がかくと同時に、足が奮え出すのがわかった。