さ迷う恋心【TABOO】

 何の冗談だろう。可笑しくなってくすくすと笑う私に、彼は「ゆっくりしていってよ」と肩を叩く。


「お疲れさま、また明日よろしく」彼は自分のマネージャーを部屋から追い出すと、ミニバーの前で「何飲む?」と腕まくりをした。

 豪華なスイートルーム。

「十八でしょう? 日本では未成年の飲酒は禁止よ」

「公開してるプロフィールでは、そうなってるけど、僕はこう見えて三千年は生きてるから」

「やめてよ、あはは」

 彼は慣れた手つきでグラスを二つ並べてトニックウォーターを注ぐ。

 まだあどけなさが残る顔でバーテンダーみたいに……
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