バーテンダー
「そ……そんな金髪で長髪の警察官がいるはず無いじゃない」
「確かに……」
そう言いながら、眼の前のタモツも大きく頷いた。
痛いとこ突かれたと言った感じで顔をヒクリとさせ
「だ・か・ら。誰が聞いているか分からないこんな場所で、幾らとか聞いちゃダメってこと。そこを言いたいわけよ。お姉さん、買春容疑で捕まりたいわけ?」
ドヤ顔、してやったり顔のその男の顔をマジマジ見詰め返した。
『三十女、買春容疑で現行犯逮捕』
悲惨だ……
なにはともあれ悲惨だ。
例え酔っていたにせよ、人目も憚らずに幾ら極上の男が眼の前にいたからと言って、値段を聞くなんて、わたし……どうかしてる。