Meaning of Kiss
だけど、それでも、僕たちは結局、
令嬢とその執事でしかないんだ。
僕の隣で、だけど僕よりも早く大人になっていく君を、
見る度美しくなっていく君を、
好きだって気付いたのはもういつだったか、思い出せない。
きっと、君の僕を見る目が変わった事に気付いた、
13歳の時だと思うけれど…
だから、君にキスを強請られた時は、嬉しくて、
それと同時に惨めだった。
―「命令よ。…キス、して」
なんて残酷な人なんだろう。
…だけど、
「…僕は、貴女だけのものです」
そう言彼女の足の爪先に口付ける僕も、
十分残酷なのだろう。