Meaning of Kiss



決して料理は苦手じゃない。

ただ、自分が食べる為だけに作る気にはならないだけ。

だから、誰かと食べるご飯は素直に楽しみだし、
久しぶりに腕を振るってみた。

結局、凌がソファを占領して寝ている間に、買い物までして。

寝起きだから重くない物の方がいいかな、なんて気も使った。


「しーのーぐ、起きて」

「…ん~、」

「今お昼過ぎ。ご飯もうすぐ出来るから。

シャワーと着替え貸してあげる」

「…うん…」


眠たそうに目を擦って、のそのそを起き上がる凌。


「あーあ、スーツしわしわじゃん」

「脱がせてよ」

「ばかじゃないの。

脱げって言う間も無くあんたがソファ占領して爆睡したんでしょうが」



< 29 / 102 >

この作品をシェア

pagetop