Meaning of Kiss
「梨緒って料理上手いのな」
「…まぁ、一応…苦手じゃないけど。
てゆーかいつの間に出てきたの?」
「超今」
「…髪濡れたままなの冷たいんだけど」
「我慢して?」
「離れなさいよ」
「えー、やだ」
ぎゅう、と後ろから抱き竦められる。
いつも漂わせている香水の匂いじゃなくて、
あたしが普段使っているシャンプーの匂いがする事が、
何だか恥ずかしくて。
「作れないから離れて。出来るまでに髪乾かしなさいよ」
「はーい」
照れ隠しのように腰にある腕を剥がして、そう言い放った。