Meaning of Kiss
「振ったじゃない。どうしてそれでも付き纏うの?」
「好きだから。諦められないから。じゃ、だめなの?」
一歩一歩と、雅人が近付いてくる。
いつもなら逃げるけれど、其処に居る雅人を見上げた。
「…愛想無くて、変なとこ真面目で、
こんな可愛くない女の何処がいいのよ」
「樹ちゃんはいいとこいっぱいあるよ?
それに、俺にとっては超可愛い」
顔が一気に赤くなったのを感じた。
「ねぇ」
顔が近付き、身を固くする。
するりと、雅人の指先が樹の長い黒髪を掬って。
「好きだよ、樹ちゃん」
その刹那、髪に口付けが落とされていた。