Meaning of Kiss
「ほらほらー、目閉じて?」
「…あんたのそういう強引な所が嫌い」
「とか言いつつ大人しく…」
「もういいから早くしなさいよっ」
「あは、はいはーい」
するりと、あたしの肌を滑る廉の手。
手先が器用で、ヘアメイクがうまくてセンスもいい廉は、
こうやって時々あたしに構う。
「素材がいいから磨きたくなる」って言ってたけど、
あたしの友達から言わせると「廉くんがそんな事するのは理伊だけ」らしい。
「…ねぇ」
「んー?」
「どうしてあたし以外の女の子にはヘアメイクしないの?」