Meaning of Kiss
腿 「僕だけの」
好きな人が居たら、他の女と関係を持っちゃいけないなんて、
誰が決めた?
「伊月(いつき)?」
「…ん?あぁ、何?」
「ご飯。出来たよ」
「ありがと」
毎日の様に朝ご飯を作りに来てくれる彼女の名前は、
よく覚えていない。
これかな、と思う名前はあるけれど、
間違っていたらとんでもない修羅場だ。
彼女も他の女の存在には気づいているだろうし…
何より、恋人なんて関係ではないけれど。
「今日は何時になく上の空だね。どうしたの?」
伊月とガラステーブル越しで向かい合う様に、
ブラックのラグに座る彼女。