翔くんの好きな人
「あーぁ、紗江ちゃんとクラス違くなって悲しい」
「あたしはそうでもない」
高1の時は奇跡的に同じクラスになれたけどね。
だからこうして、暇があれば紗江ちゃんのクラスに来る。
それはもうおれの日課で、おれが紗江ちゃんを好きなのは、みんなが知ってる。
「あー、また翔くん来てるー!いいねぇ、紗江は愛されてて」
紗江ちゃんの友達の千夏ちゃんが言うと、
「迷惑だし」
ずばっと答えた。
「…う、紗江ちゃんのすかぽんたんっ」
「は、」
さすがに悲しくなったおれは自分のクラスに逃げた。