キミの風を感じて

体育祭3日前の朝――。


昨日の大雨は午後にはあがって、今日はウソみたいな晴天だった。

グランドはたぶんもう使えるだろう。


今日から2Aリレーメンバー全員そろっての朝練が始まる。




いつもどおりに家を出て学校に着くと、早朝のグランドは少しばかり賑わっていた。


クラス対抗だけではなく、800mや400mのリレーに出るやつらも集まっている。


考えることは同じなのか他のクラスもちらほらと練習を始めたようだ。




空気がひんやりと気持ちいい。

ほこりもちりも雨が洗い流してくれたのか。




「おう、どうだ、加島?」


鈴木がさっそく寄ってきた。張り切ってんのかやたらと声がでかい。



「いいよ」


「何が?」


「調子だろ?」


当たり前に答えると、「ああ」と鈴木はもったいつけてうなずいた。


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