キミの風を感じて
「イテッ」
「あんたさぁ、大勢の前でひとりだけつるしあげるような真似すんなよ」
おお、本荘。いいことを言う。
「はぁ? どの程度なのか見ておきたいって言っただけだ。別につるしあげてなんかいねーし。ちゃんと走ればいいだけだ。走れるんだろーな、おい」
だけど鈴木は全然ひるまない。つーか、むしろケンカ売ってる!?
「うっせ、もういいよ。早くバトンの練習しよう、加島」
それには取り合わず、本荘がみんなを集めた。
「だな、時間がない」
集まった面々にバトンの扱いについておおまかに説明した。
「みんなも知ってると思うけど、バトンの渡し方にはオーバーハンドとアンダーハンドパスがあって……。
まぁ、みんなが馴染みやすくて、失敗が少ないのがオーバーだから、今回はそれを練習してスムーズにパスできるようにしよう」
ってことでリレー種目ごとにわかれて練習開始。