キミの風を感じて
『リレーと代わってもらえないかな?』
昼休みまでかけて100m走や障害物走に出る子たちのところをひとり残らず回ったけれど無駄だった。
リレーの話になったとたんにみんな顔を曇らせ、『ゴメン、無理』って目をそらしちゃうの。
「わたしが代わろうか?」
ユメちゃんが見かねてそう言ってくれたけど、同じく運動嫌いのユメちゃんがわたしの代わりに罵られるのかと思うと、やっぱちがうし
「いいよ。大丈夫」と断った。
全然大丈夫じゃないんだけどね……。
こうなったら、やっぱ加島くんを頼るしかないのかなぁ?
加島くんはホントに何とかしてくれるんだろうか?
「いーい、スモモ? 強気で行かなきゃダメだよ。いつもみたいに素直にしてると押しつけられちゃうからね」
「う……ん」
もうほとんど押しつけられている。
でもがんばる…! わたしだってこんな決め方されて怒ってるもん!