キミの風を感じて
「おーい、スモモ、がんばれー!」
全体練習2日目の昼休み、中庭で練習しようと集まってると、校舎の窓から声がかかった。
2階の、ちょうど俺たちの教室がある廊下の窓から誰かが手を振っている。
「もぉ、見なくていいよ」
立木さんが笑いながら上を見あげて返事をした。
あれは夢崎さんと、……坂田涼だっけ? 1年のとき同じクラスだったやつだ。
「ね、あの2人つきあってるんだよね? 夢崎さんとD組の坂田くん」
下では誰かが立木さんにささやいている。
「うん。実はラブラブなんだよ」
「えっ、ホントに? 全然知らなかった」
「一緒にいるの見たことなーい」
他の女子たちも即会話に加わってくる。
女子は好きだからなぁ、こーゆー話。
「学校ではそ-かもね。坂田くん放課後は音楽室でバンドの練習するから、一緒に帰れないし」
と説明する立木さん。