キミの風を感じて

「お前のせいだとか、だからイヤなんだとか、足手まといだとか、さんざん罵られたんだ。途中で止めに入ったけどさ」


あのヤロー……!


「紗百、かなりこたえてるみたい。傷ついた顔してたから」




だから様子がおかしかったんだ。




「リレー負けちゃうよ?」


本荘が笑って俺を見た。


「え?」


「紗百の明るさとがんばりに引っぱられてきたんだからね、ウチらは」


「ああ」




「初めはわからなかったんだ。加島がなんで最後の一枠に紗百を選んだのか。夢崎さんでもよかったわけだし。

でも今は、あの子抜きでは考えられない感じだな。

こうなるのがわかってて選んだの?」


なんて本荘は訊いた。




そう……かもしれない。


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