キミの風を感じて
「強いよね、あの子」
俺が答えるよりも先につぶやく。
「案外ウチらより度胸があるかも」
「な。すぐ泣いちゃうくせに、ときどきすげー根性が座っててビックリするんだ」
「うんうん」
2人して顔を見合わせて笑った。
「好きだな、紗百。可愛いし……!
実はさ、体育祭が終わったら告ろうかと思ってるんだ」
「えっ?」
「あの子わたしの彼女にするよ」
なんて言いながら、本荘はいたずらな目で俺を見た。
「は?」
こいつそーゆー趣味か? 確かに女子にモテるタイプだけど。
ヤバい。高梨よりも手ごわいぞ。
ギョッとして固まってると、本荘が弾けるように笑いだした。