キミの風を感じて
「あっはっはっは、ウソだよ。加島おもしれ~」
は、ウソ?
「あんたってポーカーフェィスで何考えてんだかわかんないやつだと思ってたけど、わかりやっすぅー!」
と爆笑される……。
「何が?」
「今すっごい顔したよ? わたし一応多数派だから安心しろ。紗百を奪ったりしないし」
とまだ笑っている。
ム……。しかもバレてる。
「ボールをよけようとして地面に倒れ込んだときさぁ、あんた紗百をかばって自分が下敷きになって頭を打ったんだよ。
でね、加島ってば紗百のことをギューッと抱きしめたまま気を失っていて、引きはがすの大変だったんだから」
え?
「……マジか」
「フフ、寝たふりかと思ったし」
くっそ、不覚だ。全然覚えてねー。