キミの風を感じて
夜――
ご飯のあとリビングでテレビを見ていると、不意にケータイが鳴った。
ん? 知らない番号……。
どうしよう?
少し迷ったけど、結局気になるから出ることにする。
『はい……?』
『もしもし』
え?
……この声。
『加島だけど』
ええ――――――――っ!?
『……立木さん?』
直接耳の中に届く低い声。
『う、うん』
心臓が跳ねあがる。
『本荘から番号聞いた』
あ……。
『元気なかったから』
加島くんの声が言った。