キミの風を感じて
『わたし迷惑ばっかかけてるから……』
ホントにそうなんだもん。
『かけられた覚えはない』
『頭打って痛かったでしょ? どこか傷めてない?』
『なんともないって言っただろ?』
少し怒ったような彼の顔が浮かんだ。
『こっちだって、ぶざまに気絶しちまってヘコんでるんだ』
『え』
『気のきいた言葉も言えないし』
加島くん……。
『だけど、立木さんがケガしなくて本当によかったって思ってるから』
『う、うん。……ありがとう』
ホッと、彼が息をついたのがわかった。
『本荘に怒られたよ』
『う?』
『お前がなんとかしろって』
『なんとか?』