キミの風を感じて
「いやいや、Aまではダンゴなんだ。リレー次第でコロッと順位が入れ替わるぞ」
午後の部では3年女子のダンスと同じく男子の組体操に交じって、リレー3種目が行われる。
どれも得点が高いから巻き返しは十分可能らしい。
武田が電卓を叩く手を止めて、俺の顔をまじまじと見た。
「めずらしーな。加島が体育祭の結果を気にするなんて。イメージないけど?」
興味しんしんな顔で言う。
「今年の優勝はAがもらうよ」
「おおっ、俺聞きたかったんだよなー。お前がそーゆー熱いこと言うの」
ニッと笑ってから武田は検算に戻り、電卓を叩きながら「楽しみにしてる」なんて言った。
あ!
昼飯のこと、立木さんに言うのを忘れてた。
走るし緊張するしだから、昼飯は少なめにしとくように言っといてやろうと思ってたのに。
あとで気持ちが悪くなったら可哀想だから。