キミの風を感じて

加島くんと二人で入場門に向かいながら、今日までのことを思い出していた。




知らないうちにリレーの選手に決まっていて、文句をつけに行ったこと。


二人で始めた朝練。


思いがけなかった加島くんの笑顔。


練習を通して今までしゃべったことのない人達とも、ちょっと親しくなれたこと。


いつも心配して励ましてくれたユメちゃん。


“100のプリンス”は案外いいやつだった。


てゆーか、正真正銘の“プリンス”だった。




そして、今日で彼との接点もなくなってしまうということ。




それをさびしく思う自分がいること


切なくて泣きそうな自分がいること……。




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