キミの風を感じて
第1走者がスタートラインにつき、さぁ、レースが始まる。
ひざの震えはいつのまにかおさまっていた。
パン!
抜けるような青空に、ピストルの音が吸い込まれていく。
わたしたちのクラスは空色のバトンとはちまき。
応援席も、待っているランナーたちも、総立ちでレースを見守っている。
あ、抜けた!
1走の本荘さんがするするとトップに立った。
スゴイ!
2走3走と、その差をさらに広げていく。
ホントに独走態勢だ!
4走5走でそれをキープして
6走のゴリリン先輩にバトンをつなぐ。
つ、次がわたし……!
これならなんとかいけるかも。
こんなに差が開いていたら、もしかしてこのままの順位で加島くんにバトンを渡せるかもしれない。