キミの風を感じて

「呼びに来てくれたの?」


「なんなら一緒にふけちゃおうかと思って」


クラスのヒーローがそんなことを言った。




「あはは、めんどくさいんでしょ。みんなに囲まれるの」


「俺、社交性ないもん」


怒ると思ったらあっさりと認める。




「そんなことないよ。みんなの真ん中で笑う加島くんも素敵だったよ」


ホントにそう思った。




「ゴリリン先輩、泣いてた……よね?」


わたしがそう訊いたら彼は笑いだした。


「ありがとう~ってオイオイ泣くから、俺どーしようかと思った」


「わたしなんかハグされそうになって本気で逃げたからね」


2人でちょっと笑っちゃう。


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