キミの風を感じて

そっと目線を向けたら加島くんもこっちを見ていた。



「髪おろしたんだ?」


「あ、うん」


みんなに撫でられてポニーテールはボサボサになっちゃってたから。




スッと、加島くんの手が伸びてきて
指先がわたしの髪に触れる。



え……!?



「葉っぱがついてる」


細長いきれいな指にとらえられ、紅葉した小さな葉が、カサ、と鳴った。




「可愛いのな」


「え」


「髪飾りかと思った」


伏せた瞳は手のひらの葉っぱを見ている。




葉っぱのことか。


し、心臓に悪い……よ。


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