キミの風を感じて
彼の指を手のひらで包み込もうとしたら、
耳元で加島くんの声がささやいた――。
「俺と、つきあってくれる?」
真っ赤な葉っぱが指先をすり抜けて
カラカラと足元へと転がっていく。
「へ……?」
「ずっと前から好きだったんだ」
破裂しそうな心臓を抱えて、コクコクと、ただひたすら うなずいていた。
「どうして、そんなに可愛いんだか」
“100のプリンス”は
冷たい指先でわたしの頬に優しく触れると
―-ちょん、と小さなキスをした。