キミの風を感じて

「わ、わかるけど、それじゃあエラそーだって誤解されて、風当たりが強くなるから」


「いーよ、別に。性格だから仕方ない。だいたい自分のことでもないのに何であんなに大騒ぎするんだか」


うんざりとそう言うと、加島くんは教室の戸をガラッと開けた。




「「お――――っ」」


わきあがる歓声。拍手喝采。




「加島―っ、よくやったぁ」
「すっげーな、お前」


駆け寄ってくる人もいる。リレーを一緒に走ったメンバーだ。


「感動したぞ!」


なんてゴリリン先輩の声が一番でかくて。




ダ、ダメだよ。あんまり大騒ぎしたら加島くんのイライラがまた……。




「…………」




固まってしまった加島くんを見て、みんなが今度はブハッと笑いだした。


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